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グローバルイノベーション研究院の長津雄一郎教授、鈴木龍汰特任助教、インド工科大学ローパー校数学科のManoranjan Mishra教授からなる国際共同研究チームは、二種類の液体が完全に混ざり合うまでの間に生じる弱い界面張力(有効界面張力、※1)が、界面の流体力学的不安定性(※2)、具体的には二流体の粘度の違いにより界面が指状に広がる「粘性フィンガリング(Viscous fingering: VF)」という現象(下図)に与える影響を調査し、「流動の速度が増すと界面の流体力学的不安定性が増加する(指幅が小さくなる)」という従来の常識を覆す結果を数値シミュレーションで得ることに成功し、そのメカニズムを明らかにしました。
本成果は、界面の流体力学的不安定性を有効界面張力と流動の速度により制御できることを示唆しており、今後、有効界面張力を伴うVFの制御手法に繋がる実験的、数値的、理論的研究の先駆けとなるものです。さらに本成果は、CO₂を地中に貯留するプロセスや地層からの石油回収プロセスにおけるミシブル攻法(※3)において重要な発見であり、本研究はそれらのプロセスの新たな制御法の創出に寄与することが期待されます。
本研究成果は、流体力学に関する専門学術誌であるJournal of Fluid Mechanics(電子版2023年6月20日付)に掲載されました。
掲載場所: https://doi.org/10.1017/jfm.2023.405
論文名: Numerical study on the effect of Péclet number on miscible viscous fingering with effective interfacial tension
著者:Yuka F. Deki, Yuichiro Nagatsu, Manoranajan Mishra, and Ryuta X. Suzuki
日本経済新聞(電子版2023年6月21日付)
東京農工大学プレスリリース
科学技術振興機構(JST)プレスリリース
長津雄一郎教授・鈴木龍汰特任助教 研究室WEBサイト
EurekAlert! (電子版2023年8月10日付)
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