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長津雄一郎准教授が「2020年度 化学工学会 粒子・流体プロセス部会フロンティア賞」を受賞

メディア・受賞情報
2021.6.25

グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野・田川チームの長津雄一郎 准教授が、2021年3月20日(土)「2020年度 化学工学会 粒子・流体プロセス部会フロンティア賞」を受賞しました。長津研究室からは2年連続の本賞受賞となりました。

■受賞名
2020年度 化学工学会 粒子・流体プロセス部会フロンティア賞

■受賞者
鈴木 龍汰(東京農工大学大学院・卒業生2020年度 後期博士課程修了)、長津 雄一郎(東京農工大学大学院・准教授)、Manoranjan Mishra(インド工科大学ローパー校・准教授)、伴 貴彦(大阪大学大学院・講師)

■受賞概要
受賞論文:「Fingering pattern induced by spinodal decomposition in hydrodynamically stable displacement in a partially miscible system, Physical Review Fluids 4, 104005 (2019)」

論文内容:これまで、二液体の界面の流体力学研究は、二液体が、完全に混ざる完全混和系(例えば、水と水あめ)か、全く(ほとんど)混ざらない非混和系(例えば、水と油)を対象とすることがほとんどであった。これは、これまでの界面流体力学研究が主として流体力学者によって行われており、流動実験が行いやすい常温・常圧で二液体が一部だけ混ざり合う部分混和となる系が流体力学者に知られていないことが原因だった。本研究では、ある水性二相系を用い、常温常圧で、部分混和系を実現し、部分混和性が、その流動界面を変形させる能力があることを発見した。さらにその起源が、部分混和性に由来して生じるスピノーダル分解型相分離の際に自発的に発生する液体の流れであることを、補完する実験・理論を用いて示した。この界面変形能は完全混和系や非混和系ではみられない。本成果により、液体の部分混和性が界面の流体力学に及ぼす影響は、完全混和と非混和の中間ではなく、全く異なる特性をもつことが明らかとなった。本成果は、石油回収プロセスやCO2圧入プロセスの高効率化への貢献といった工業上の応用が期待されるだけでなく、「部分混和系の界面流体力学」という化学熱力学と界面流体力学の領域横断的な新しい学問分野の創出につながる極めて高いフロンティア性を有するものである。また本成果は所属機関からプレスリリースされ、国外の複数のメディアの電子版でも取り上げられた。

賞の概要:本賞は、化学工学の粒子・流体プロセス分野に関連する国内外の学術雑誌や同関連の国際会議等での査読付きProceedingsに掲載された論文の中で,特にフロンティア性の高い優秀な研究論文で,本部会会員が著者になっている論文に贈賞されるものである。

粒子・流体プロセス部会 フロンティア賞(化学工学会 粒子・流体プロセス部会HP)(別ウィンドウで開きます)

関連リンク(別ウィンドウで開きます)

•東京農工大学 長津雄一郎准教授 研究者プロフィール
•東京農工大学 長津雄一郎准教授 研究室WEBサイト
•長津雄一郎准教授が所属する 東京農工大学工学部化学物理工学科
•流体力学の常識を覆す!地層中での流体置換を制御する相分離現象を発見~石油回収プロセスやCO₂圧入プロセスの高効率化に貢献~〔2020年2月6日リリース〕

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