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◆講演者:Dr. Jusef Hassoun (イタリア、フェラーラ大学、准教授)
◆講演タイトル:”Alkali-Ion Batteries and Beyond”
◆日時:2025年1月31日(金) (15:00~16:30)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 140周年記念会館(エリプス) 3階 多目的ホール
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院・工学研究院 富永 洋一(グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 富永 チーム)
◆開催案内
◆参加人数:53人
講演概要
富永チームでは、Ferrara University(イタリア)よりJusef Hassoun先生をお迎えし、本学140周年記念館にて公開セミナーを開催した。Hassoun先生は、電池材料や電池作製・評価技術の分野において長年の研究実績を有し、これまで200報以上の原著論文を発表している。Journal of Materials Chemistry AやGreen Chemistryなど一流論文に多数掲載され世界で注目される本分野に置いての第一人者である。Hassoun先生は現在、Liイオン二次電池を中心とする材料開発や測定評価の基礎・応用を精力的に研究を進めており、最近ではLi空気電池やLi硫黄電池、ポストLi電池であるNa電池など、次世代電池も含めた高容量蓄電池の研究開発に特に注力している。さらには、次世代蓄電池に必要不可欠な電極活物質の材料開発や電池特性評価に関する基礎的および応用研究に多数の実績がある。
今回で7回目となるHassoun先生によるセミナーでは、”Alkali-Ion Batteries and Beyond”の題目で、ポストLiイオン二次電池を見据えた次世代のエネルギー材料分野の最先端を走ってこられた視点から、熱意にあふれるご講演を実施していただいた。現在のLiイオン二次電池では、負極としてLi金属自体ではなく、Liイオンの状態で充放電できる黒鉛が用いられる。Li金属は酸化還元電位が低く高電圧化が可能で理論容量も極めて大きいため理想的であるが、充電時にLi金属が樹枝状に析出し劣化や短絡の原因となるLiデンドライト発生の問題がある。そこでHassoun先生らは、Li金属にSiを複合したアロイ電極を用いることで、安全性や安定性を飛躍的に向上させた。本講演では、このLi/Si負極を用いた硫黄電池や空気電池など最新の研究成果を紹介していただいた。また、LiだけでなくNaからなる次世代型二次電池への当技術の応用についても説明がなされた。終了後会場からは、具体的な講演内容に関する技術的な質問に加え、学生からはLiの次に何が本命となるのか?のような質疑もあり、大変盛況なセミナーとなった。
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