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◆講演者:Dr. Yasuo Yoshikuni (米国、ローレンス・バークレー 国立研究所、グループリーダー)
◆講演タイトル:”Opportunities for Facility-Enabled Science at the DOE Joint Genome Institute (JGI)”
◆日時:2024年12月20日(木) (17:00~18:00)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 11号館 5階 L1153講義室、Zoom
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院・工学研究院 新垣 篤史(グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 田中 剛チーム)
◆開催案内
◆参加人数:45人
講演概要
2024年12月20日に、米国ローレンスバークレー国立研究所Joint Genome InstituteのグループリーダーであるYasuo Yoshikuni先生をお迎えし、GIR公開セミナーを開催した。
吉国先生は合成生物の分野で世界的に著名な研究者であり、特に汎用性の高い遺伝子組み換えシステムであるCRAGEシステムの開発で知られている。今回のセミナーでは、ご自身が現在取り組まれている最先端の研究や、他機関との共同研究による最新の成果についてご講演いただいた。特に、植物に播種した際に成長促進を促す微生物変異株のスクリーニングに関するお話と、本来廃棄される尿を栄養源として微生物に与えることで有用物質生産を行う試みの計画に関するお話の二項目について、最新の知見を丁寧にご紹介していただいた。
変異株ライブラリーからの有用微生物変異株の獲得のお話では、CRAGEシステムを活用して構築された微生物変異株ライブラリーを基に、植物の成長促進を担う有用微生物植物(Plant growth promoting bacteria: PGPR)の獲得プロセスや実験成果について詳しくご説明いただいた。モデル植物であるシロイヌナズナに加え、イネの成長促進にも成功した具体例を通じ、農業への実際の応用可能性を示すお話をしていただいた。
有用物質生産のお話では、従来は廃棄される尿を「イエローカーボン」として新たに活用する試みについてご紹介いただいた。尿に含まれる窒素やリンを利用して工業的に価値の高いハイドロキシアパタイトを生産するプロジェクトでは、効率的な尿の利用に向けた遺伝子改変微生物やコスト試算等、具体的なプラットフォームを丁寧にご紹介いただいた。
セミナーには学生を中心に40名超の参加者が集まった。教員・学生問わず質問が挙がり、活発な議論がなされた。持続可能な社会の達成に向けて多様なアプローチをとりながら研究を続けるYoshikuni先生のお話は、学生にとっても今後の研究活動の刺激となり、非常に有意義なセミナーとなった。
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