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【2024.10.16 GIR公開セミナー報告】Dr. Li Hua “Broadband terahertz frequency comb and dual-comb operation under microwave injection”

イベント報告
2024.10.21

◆講演者:Dr. Li Hua (中国、Shanghai Institute of Microsystem and Information Technology, CAS 、教授)
◆講演タイトル:”Broadband terahertz frequency comb and dual-comb operation under microwave injection”
◆日時:2024年10月16日(水)(15:00~16:00)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 工学部講義棟 1 階 L0017 講義室
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院・工学研究院 張 亜(グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 梅林チーム
開催案内
◆参加人数:24人

講演概要

先日、GIR公開セミナーにおいて、テラヘルツ量子カスケードレーザ(QCL)と周波数コムの分野で著名な研究者であるHua Li先生をお迎えしました。Hua Li先生は、テラヘルツ(THz)領域における広帯域周波数コムやデュアルコム光源の最先端研究をリードしており、特に今回のセミナーでは、マイクロ波注入技術を用いた新たな広帯域THz QCLコムとデュアルコムの最新の進展についてご講演いただきました。

今回のセミナーでは、Hua Li先生が提案するTHz QCLにマイクロ波注入を施すことで、コム動作の安定化とスペクトルの広帯域化が達成されるメカニズムに焦点が当てられました。特にデュアルコム技術は、干渉計を使用せずに高解像度の分光測定を可能にするため、リアルタイムでの正確な測定に新たな可能性を提供します。さらに、今回の実験で使用されたTHz QCLは、積層アクティブ領域を持つ新しい設計で、これにより得られる利得帯域幅の拡大が報告されました。マイクロ波注入を利用することで、カオス的なレーザー動作から安定したデュアルコム動作への移行が可能となり、400 GHzもの広帯域にわたるTHz QCLデュアルコムの運用が実現されました。

この技術は、今後の高精度な分光、イメージング、通信などの分野での応用が期待されており、特にTHz QCLの特性である高出力、広い周波数範囲、安定した光束が、これらの用途における重要な進展をもたらすと考えられます。
本セミナーには教員2名、学生22名が参加し、講演後には約40分間の活発な質疑応答が行われました。ロ波注入による位相安定化の原理について、多くの質問が寄せられ、Hua Li先生からも詳細な回答がなされました。このセミナーは、参加者にとってテラヘルツ分光技術の最前線に触れる貴重な機会となりました。

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