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【2024.7.16 GIR公開セミナー報告】Dr. Danilo P. Mandic “Machine Intelligence for eHealth: Hearables for 24/7 Doctorless Hospitals? “

イベント報告
2024.7.18

◆講演者: Dr. Danilo P. Mandic (英国、インペリアル カレッジ ロンドン、教授)
◆講演タイトル:”Machine Intelligence for eHealth: Hearables for 24/7 Doctorless Hospitals? “
◆日時:2024年7月16日(火) 16:35~17:30
◆会場:東京農工大学 府中キャンパス 新2号館 1 階 多目的講義室、Zoom
◆言語:英語
◆開催担当者:工学研究院  田中 聡久 教授(グローバルイノベーション研究院 GRH「動物共生情報学」拠点
開催案内
◆参加人数:53人(オンサイト46名、オンライン7名)

講演概要

Prof. Mandicは、24時間365日の健康モニタリングを可能にする「Hearables」と呼ばれる革新的なイヤープラグ型デバイスについて講演を行った。このデバイスは、脳波(EEG)、心電図(ECG)、脈拍、呼吸、体温、血中酸素濃度などの生体信号を測定できる。従来のウェアラブルデバイスと比較して、耳道の安定した位置を利用することで、日常活動中でもロバストな測定が可能となる。講演では、以下の点が強調された:
複数のセンサーデータを組み合わせることによる測定精度の向上
実世界のシナリオにおけるアーティファクト処理の重要性
eHealthにおける機械知能の応用と課題
生体信号の生成と伝播に関する生物物理学的知識の重要性
センサー・皮膚・ハードウェアインターフェースの設計
ユーザーを含めた高レベルの意思決定システムの構築

質疑応答:
講演後の質疑応答は非常に活発で、予定時間を超過するほどであった。参加者からは多くの質問が寄せられ、Hearablesの技術や応用に対する高い関心が示された。特筆すべきは、動物共生情報学研究拠点の特性を反映し、Hearables技術の動物への応用可能性に関する質問も複数あったことである。これらの質問には以下のようなものが含まれていた:
これらの質問に対し、Prof. Mandicは人間用に開発された技術の動物への応用には課題があるものの、潜在的な可能性は大きいと回答した。動物の特性に合わせたデバイスの小型化や、種ごとの生理学的特徴を考慮したアルゴリズムの開発が今後の研究課題として挙げられた。
総評:
本講演会は、動物共生情報学拠点、農工両学部の学生に最先端のセンサ+AI技術に触れる貴重な機会を提供した。参加者の熱心な態度と活発な質疑応答から、この分野への強い興味と理解が深まったことが伺える。特に、Hearables技術の動物への応用に関する質問が多く出たことは、本研究拠点の特色を反映しており、参加者の研究意欲を刺激する結果となった。Hearables技術は、人間の医療やヘルスケアシステムだけでなく、動物の健康管理や行動研究にも大きな変革をもたらす可能性があることが示唆され、参加者にとって非常に刺激的な内容であったと考えられる。

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