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【2024.7.1 GIR公開セミナー報告】Dr. Hisashi Koiwa “Catch me if you can: Capturing cellular dynamics and turnover of plasmamembrane protein KOR1 in Arabidopsis thaliana under stress”

イベント報告
2024.7.4

◆講演者: Dr. Hisashi Koiwa (米国、テキサスA&M 大学 、教授)
◆講演タイトル:”Catch me if you can: Capturing cellular dynamics and turnover of plasmamembrane protein KOR1 in Arabidopsis thaliana under stress”
◆日時:2024年7月1日(月)(16:00~17:00)
◆会場:東京農工大学 府中キャンパス 新2号館 1 階 多目的講義室
◆言語:英語
◆開催担当者:農学研究院 福原 敏行 教授(グローバルイノベーション研究院 食料分野 福原チーム
開催案内
◆参加人数:25名(対面16名+オンライン9名)

講演概要

 GIR食料分野・福原チームでは、米国テキサスA&M大学からHisashi Koiwa教授をお迎えして、GIR公開セミナーを対面(農学部2号館多目的講義室)+オンライン(Zoom)のハイブリッドで開催した。Koiwa先生は、植物生理学・植物分子遺伝学を専門とし、植物の環境ストレス応答研究の第一人者であり、モデル植物シロイヌナズナを用い優れた研究成果を報告されている。
 今回のセミナーでは、シロイヌナズナの膜結合型β1,4-glucanase KORRIGAN1(KOR1)タンパク質の糖鎖修飾・細胞内輸送・品質管理・分解経路等について最新の研究成果が報告された。
 KOR1は、細胞壁のセルロースを部分分解することで環境ストレス応答に寄与すると考えられている。本講演では、KOR1にGFP等のレポータータンパク質を融合したタンパク質を作成し、細胞内でのKOR1の挙動を可視化したデータが示された。特に酸耐性のGFPを融合したKOR1の液胞内の挙動を可視化した最新の未発表データが示された。KOR1は、塩や高温などの環境ストレスに応じて細胞内局在を細胞膜から液胞へと変えること、その細胞内局在・細胞内輸送にタンパク質の糖鎖修飾が関与していること、KOR1の分解経路はユビキチンが関与する分解経路ではなくエンドサイトーシス経路が関与することなど、多くの未発表データを含む最先端の研究成果を講演頂いた。KOR1は、植物の環境ストレス応答機構を担うマスターレギュレーターであり、その糖鎖修飾および品質管理システムが植物の環境ストレスに重要な役割を担うことが報告された。
 このように、本セミナーは、植物の環境ストレス応答機構だけでなく、タンパク質の糖鎖修飾、細胞内輸送、品質管理・分解など多岐にわたる最先端の研究内容であった。セミナー終了後は、30分程度参加者から活発な議論が交わされ大変有意義なセミナーとなった。

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