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【2024.6.14 GIR公開セミナー報告】Dr. Patrick Rozier “Advancing the Frontier: Next-Generation Materials for Energy Storage”

イベント報告
2024.6.17

◆講演者: Dr. Patrick Rozier (フランス、ポールサバティエ大学 、准教授)
◆講演タイトル:”Advancing the Frontier: Next-Generation Materials for Energy Storage”
◆日時:2024年6月14日(金)(13:00~14:30)
◆会場:東京農工大学 工学部講義棟 1階 L0013講義室
◆言語:英語
◆開催担当者:工学研究院 松村 圭祐 准教授(グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 岩間チーム
開催案内
◆参加人数:27 人

講演概要

Patrick Rozier先生をお迎えし、GIR公開セミナーを開催した。Rozier先生は、フランスのトゥールーズ第三大学(ポール・サバティエ大学)の准教授であり、材料研究工学の国際センター(CIRIMAT)で研究活動を行っている。さらに、フランスの電気化学エネルギー貯蔵ネットワーク(RS2E)および欧州研究所ALISTOREにおいても積極的に活動している。これらの組織は、いずれも電池研究に専念している。研究活動としては、固体化学に基づくリチウム/ナトリウムイオン電池や固体酸化物燃料電池の活性材料の設計、成形、およびサイクル中に発生するメカニズムの理解に焦点を当て、世界的に研究を牽引されている。

講演では、電池技術の最新研究成果および今後の展望に関するものであった。特に、エネルギー貯蔵と変換の分野における材料革新について詳細に説明がなされた。最先端の電池材料の開発コンセプトを結晶構造に着目して体系的に解説がなされた。近年新たに提案され始めたハイエントロピー系材料群およびDisordered Rock Salt型材料群について、重要な研究成果を引用して総説的な発表をしていただいた。多成分系の固溶体では、混合エントロピーによる安定化効果が得られることで、通常固溶できないような結晶系を実現できる。これが新たに優れた電気化学特性を発現するが、そのメカニズムはまだ十分に明らかにされておらず、まさに最先端の研究前線であることが示された。

質疑応答では、参加者からの多様な角度からに質問がなされ、本学の蓄電材料研究の現状と照らし合わせながら、本講演の内容を適用し、新たな研究提案につながるようなディスカッションが展開された。質疑応答は活発に行われ、参加者の理解を深める良い機会となった。

本セミナーは、電池技術に関する最新の研究動向や未来への展望について、多くの知見を得る場となった。特に、国際的な研究交流の重要性が再認識され、今後の共同研究の可能性についても期待が高まった。今後もこのような機会を通じて、国際共同研究の推進と若手研究者の育成に努めていく所存である。

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