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◆講演者:Dr. Dario Escala (ベルギー、ブリュッセル自由大学)
◆講演タイトル:”On The Boundary Between Theory and Experiments: From chemically-driven viscous fingering to reaction fronts in microgravity”
◆日時:2024年4月4日(木)(16:30~17:30)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 4号館 3階 349B 交流スペース、Zoom
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院 鈴木 龍汰 特任助教(グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 田川チーム)
◆開催案内
◆参加人数:合計 40 人(対面参加:31人、オンライン参加:9人)
講演概要
Dario Escala先生をお迎えし、GIR公開セミナーを開催した。Escala先生は現在、流体力学の中でも反応を伴う反応流と呼ばれる分野を専門とし、特に2流体界面における実験、理論、シミュレーションのすべてに精通している研究者である。Escala先生は、生物工学で学士を、数学で修士を、物理学で博士を取得しており、現在はベルギーのブリュッセル自由大学にてポスドクとして活躍している。本セミナーでは、実験とシミュレーションを行うことの利点と、それにより問題解決策を探る際にどのような相乗効果が得られるかを紹介していただいた。
セミナーでは2つのセクションにわけてご紹介いただいた。第1部は、複雑な化学反応によって引き起こされるパターン形成についてご紹介いただいた。その挙動・パターンを実験的に研究し、数値シミュレーションを用いてそのダイナミクスの背後にあるメカニズムを理解できることをご発表いただいた。第2部は、微小重力下でのRDAフロント(反応-拡散-移流フロント)のモデリングに関する研究をご紹介いただいた。現実的な数理モデルを形成する上で、事前の実験経験が重要であることをご説明いただいた。ご発表では、化学種の予混合(あらかじめ混合しておくこと)が微小重力条件下でのA + B → Cという反応を伴う流れのRDAフロントの挙動にどのような影響を与えるか、そしてこの実験的なアーティファクトが、これらのフロントの特徴的な性質にどのような影響を与えるかをご紹介いただいた。実際にロケットを打ち上げての実験であり、学生だけでなく教員にも刺激的なご発表であった。
本セミナーは物理化学的な現象にとどまらず、科学的な道を歩む人々の指針となり、理論と実験の合流点における探求の豊かさを示すものとなった。セミナーの質疑中および終了後には、学生・教員らによる総合的なディスカッションもあり、刺激的で非常に有意義なセミナーであった。
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