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【2023.10.18. GIR公開セミナー報告】Dr. Claus-Dieter Ohl “Cavitation Bubbles interaction with hard and soft matter: from erosion to nucleation”

イベント報告
2023.10.23

◆講演者:Dr. Claus-Dieter Ohl (ドイツ、オットー・フォン・ゲーリケ大学、教授)
◆講演タイトル: “Cavitation Bubbles interaction with hard and soft matter: from erosion to nucleation”
◆日時:2023年10月18日(水) 15:00~16:00
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 6号館 2階 201号室、Zoom
◆言語:英語
◆開催担当者:田川 義之 准教授(グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 田川チーム
開催案内
◆参加人数: 対面25 名 + オンライン14名

講演概要

ライフサイエンス・田川研究チーム Claus-Dieter Ohl教授先生(オットー・フォン・ゲーリケ大学マクデブルク大学,ドイツ)をお迎えして,公開セミナーを開催した.
Ohl先生は1998年にドイツのゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンで物理の博士号を取得した.その後,アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学とオランダのトゥエンテ大学の流体物理学グループで博士研究員として勤務し,2007年に南洋理工大学の助教授として着任した.2012年には准教授に昇格した.また2017年から今現在所属しているオットー・フォン・ゲーリケ大学マクデブルク大学の教授として着任した.
Ohl先生は流体物理分野における界面力学を専門とされており,顕著な業績を挙げている.なかでも気泡現象に関する画期的な理論的枠組みを提案されており,その内容は複数のトップジャーナルに掲載されるなど,大きな注目を集めている.
本セミナーでは,Ohl先生よりキャビテーション気泡とハード・ソフトマターとの相互作用についてご講演いただいた.キャビテーション気泡の最新発見が紹介され,多くの聴衆が聞き入った.
本講演の初めに,非球状キャビテーション気泡について紹介した.非球状のキャビテーション気泡により,特に流れに巻き込まれる時に,大きなせん断応力を発生させることについて説明した.衝撃波の集束によるメカニズムは、ジェットの衝突や球状のエネルギー集束とは関係なく,軸対称性が失われることによって浸食が生じるのであると,Ohl先生の研究からわかった.
その後,ソフトマターの中の非球状キャビテーション気泡のダイナミクスについて紹介した.キャビテーション気泡により,せん断応力を発生させ,局所的なひずみ場よりもはるかに大きな距離まで変形エネルギーを輸送するメカニズムを説明した.また,異なる方位を持つ2つのせん断波が境界付近で発生し,それらの個々の振幅がスタンドオフ距離の関数であることを示した.最後に,衝撃波による気体-気泡の相互作用からキャビテーションが発生するメカニズムについて述べた。
講演により,気泡現象の最新理論が紹介され,多くの聴衆が聞き入った.講演後,聴講者から多くの質問が出され,活発な意見交換が行われた

 

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