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◆Dr. Richard S. Nelson (米国、オクラホマ州立大学、客員教授)(米国、LLC、Noble Research Institute)
◆講演タイトル: “Molecular analysis of plant virus accumulation and spread: Emphasizing the requirement for host actomyosin system and optimized statistical analysis”
◆日時:2023年3月23日(木)
◆会場:東京農工大学 府中キャンパス 2号館 1階 多目的講義室
◆言語:英語
◆開催担当者:佐々木 信光 准教授(グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 佐々木チーム)
◆開催案内
◆参加人数: 24名
講演概要
オクラホマ州立大学のRichard Nelson博士をお迎えしてGIRセミナーを開催した。6つの研究グループから24名の参加があった。Nelson博士は、Samuel Roberts Noble Foundationで長年PIとして、蛍光顕微鏡を用いた植物ウイルスのイメージング解析や外来遺伝子の導入を目的とした新規ウイルスベクター開発を中心として植物病理学分野で活躍し、米国植物病理学会のウイルス委員会の委員長および多くのジャーナルのエディターやレフェリーを経験されている。現在は、オクラホマ州立大学で客員教授として講義を担当される一方で、多くの論文のレフェリーをこなしている。
Nelson先生からは、植物ウイルスの感染過程の中でも細胞間移行や長距離移行といった移行過程について講義をしていただいた。特にトバモウイルス(TMVやTVCV)やポテックスウイルス(PVX)の細胞間移行の分子メカニズムに関して、阻害剤処理やVIGS法を用いた遺伝子発現抑制によって、ウイルスの細胞間移行における細胞骨格(アクチンフィラメントやミオシン)の重要性を証明したお話しや複製酵素(本来はゲノム複製に必要なウイルス因子)と相互作用するSNAREタンパク質(小胞と細胞膜との融合に関わる因子)が細胞間移行に関与している可能性を示した最近の研究成果など、非常に興味深い知見を紹介していただいた。また、これまでの論文発表の経験を踏まえて、統計解析の重要性や統計処理のやり方について教授していただいた。
セミナー後には学生を含めた参加者との非常に活発な質疑応答があった。セミナー終了後には、参加者との交流会の場をもつことができた。一部の学生はセミナー後の交流会の中で現在行なっている研究の統計処理について直接指導を受けるなど有意義な場となっていた。またGIRメンバーと今後の研究の方向などを確認することができた。
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