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【2023.2.16. GIR公開セミナー報告】Dr. Xinmin Zhan “Auto-floating microalgae technology: wastewater treatment and bioenergy production”

イベント報告
2023.3.27

◆Dr. Xinmin Zhan (アイルランド、アイルランド国立大学ゴールウェイ 、教授)

◆講演タイトル: “Auto-floating microalgae technology: wastewater treatment and bioenergy production”

◆日時:2023年2月16日(木)

◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 科学博物館 3階講堂、Zoom 

◆言語:英語

◆開催担当者:寺田 昭彦教授 (グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 寺田ユニット)

開催案内

◆参加人数: 18名(うちオンライン6名)

講演概要

 排水中の有機物や栄養塩の除去は水質汚濁を防止する観点で非常に重要な技術である。一方、エネルギーを投資して水環境にネガティブな要素をゼロに戻すという観点ではエネルギー削減以上のメリットを講じることが出来ない。このようなジレンマから、近年では有機物や栄養塩から資源を回収する技術開発が進展している。その中で微細藻類は廃水から資源を取り出す技術の中核的な生体触媒である。ゴールウェイ大学のXinmin Zhan教授は、微細藻類を用いた排水処理からの資源回収において、ヨーロッパの大型グラントを助成されながら研究を実施してきており、近年重要な論文の発表を行っている。今回のセミナーではこの技術の原理と代表的な研究成果の紹介があった。
 教授らのグループは、特に微細藻類において偶然にもバイオガスを発生させて浮遊してくるユニークな現象を見出したことの紹介があった。従来このような浮上現象は処理水と固形分の分離を困難にする悩ましい現象であるため忌避されているが、この現象を逆手にとって、表層に浮遊した微細藻類を回収し、藻類の細胞から有価物を取り出す新しい技術を開発している。運転条件の最適化が丁寧に行われ、この微細藻類を用いた優れた窒素・リン除去性能が示されていることが紹介された。さらに、処理水をリサイクルして微細藻類に供給することにより、微細藻類の増殖速度が向上することを紹介された。有益な微細藻類の回収性能を向上させること、浮上する詳細のメカニズムは今後の課題であるものの、今後の資源回収の新しい潮流となりうる研究成果の紹介がなされた。
 このような興味深い知見をわかりやすく丁寧に説明して下さったお陰で、研究員から学部学生まで、新しい技術革新の重要性やセレンディピティの大切さを認識できた。また、年齢や分野の異なる研究者・学生から多様な質問および議論が交わされ、大変有意義な時間となった

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