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◆講演者、講演タイトル
・Dr. Hisashi Koiwa (米国、テキサスA&M 大学、教授)
“Molecular basis of plant salt tolerance and its agricultural impact”
◆日時:2022年11月10日(木)
◆会場:Zoom
◆言語:英語
◆開催担当者:福原 敏行 教授 (グローバルイノベーション研究院 食料分野 福原チーム)
◆開催案内
◆参加人数: 15名
講演概要
GIR食料分野・福原チームでは、Hisashi Koiwa教授(Texas A&M大学)をお迎えしてオンライン(Zoom)でセミナーをお願いした。Koiwa教授は、植物の塩ストレス応答について、主にモデル植物シロイヌナズナを用いた分子遺伝学的な解析をもちいて世界的にも最先端の研究を展開している。また、本セミナーは農学専攻修士課程1年生のオムニバス講義「Advanced lecture of Green, Food, and Life science」としても開講された。
本セミナーでは、大学院修士課程の講義として開講されたために、Koiwa教授の最新の研究成果を報告いただく前に、塩ストレスが農業(作物)生産に及ぼす影響や、これまでの植物の耐塩性研究成果について、わかりやすく講義いただいた。ここでは、米国、特にテキサス州を例に塩ストレスが作物の減収を引き起こすことを具体的な数値をあげ解説いただくとともに、作物生産にとって植物の耐塩性機構研究の重要性を解説いただいた。
Koiwa教授の最新の研究成果では、植物の塩ストレス応答に中心的な役割を果たすKORRIGAN1タンパク質が塩や高温といった環境ストレスに応じて細胞内の局在を細胞膜からゴルジ体・液胞へと変えることや、その細胞内局在・細胞内輸送にタンパク質の糖鎖修飾が関与していること、さらに糖鎖修飾によりタンパク質の品質管理が行われていることなど、多くの未発表データを含む世界最先端の研究成果を講演頂いた。またKORRIGAN1タンパク質が植物の環境ストレス応答機構を担うマスターレギュレーターであり、その糖鎖修飾と細胞内局在および品質管理システムが植物の環境ストレスに重要な役割を担うことが報告された。このように、本セミナーは、植物の塩ストレス応答機構だけでなく、タンパク質の糖鎖修飾、タンパク質の細胞内局在と細胞内輸送、植物の生長と細胞壁合成制御など多岐にわたる最先端の研究内容であった。セミナー終了後には、参加者から活発な議論が交わされ有意義なオンラインセミナーとなった。
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