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◆Dr. Sandra E. Kentish (オーストラリア、メルボルン大学、教授)
◆講演タイトル: “Recent Research on two Topics: Electrospun and Perfluoropolymer Membranes”
◆日時:2022年6月27日(月)
◆会場: 東京農工大学 小金井キャンパス 工学部講義棟 L0026
◆言語:英語
◆開催担当者:兼橋 真二 准教授 (グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 富永チーム)
◆開催案内
◆参加人数: 56名
講演概要
今回、オーストラリア メルボルン大学のSandra Kentish教授をお招きして、GIR公開セミナーを開催した。Kentish教授は、膜工学を専門とし、エネルギー、食品、水処理分野で使用される分離・精製に関する研究を専門とし、膜工学研究分野における世界的に著名な研究者の一人である。また膜科学のトップ専門誌であるJournal of Membrane Science誌のEditorial Boardのひとりを務める。またメルボルン大学の学部長(専攻長)も務める役職者でもある。
今回のセミナーでは「Recent Research on two topics: Electrospun and Perfluoropolymer Membranes」と題して、エレクトロスピニングを利用したナノファイバーの作製と水処理への応用、フッ素系高分子を用いたCO2分離についてご講演いただいた。エレクトロスピニングによりナノファイバーの向きをそろえた膜とランダム膜の構造と物性について比較を行った。ナノファイバーの向きをそろえた膜は従来のランダム膜よりも塩の除去率を低下させずに透水性を向上することに成功した。これは水の透過経路が減少したことによると推察していた。また熱転移ポリマーにも応用し、その有効性について説明がなされた。
またフッ素含有ポリマーでは、これまでにない新規な非晶性のフッ素系共重合体の気体透過性や分離性、不純物耐性について紹介があった。この材料は多くの実ガスに含まれる水の影響がほとんどなく、安定した透過性と分離性であったことからこのフッ素含有ポリマー(共重合体)が良好な耐水性を示すことが明らかになった。この新規なポリマーの構造と物性についても紹介がなされ、大変興味深い材料であった。
COVID-19以降、本学でのひさしぶりの海外からお招きしての対面講演会ということもあり、講演に関して参加者から多くの質問があり、参加者全員に非常に有意義な時間となる大変盛況なセミナーとなった。
最後に、参加者とKentish教授との記念撮影を行い閉会した。閉会後も参加者とのディスカッションや研究紹介を行い、議論のつきない大変貴重な交流の機会となった。
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