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◆講演者:Dr. Giovanni Maglia (オランダ、フローニンゲン大学、教授)
◆講演タイトル:”Engineering Biological Nanopores for Molecular Sensing and Protein Sequencing”
◆日時:2025年3月10日(月)(16:00~17:00)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 13号館 4階 L1342講義室
◆言語:英語
◆開催担当者:グローバルイノベーション研究院・工学研究院 川野 竜司(グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 川野チーム)
◆開催案内
◆参加人数:20人
講演概要
2025年3月10日に開催された講演で、Dr. Maglia Giovanniは、ナノポア技術を用いたタンパク質シーケンシングの最前線について紹介した。Dr. Giovanniは、長年にわたりナノポア技術の発展に貢献してきた研究者であり、その研究成果は特に分子生物学やバイオテクノロジーの分野で広く認知されている。
Dr. Giovanniのこれまでの研究は、主にナノポア技術の基礎開発と応用に焦点を当てている。特に、ナノポア技術を用いてDNAやRNAのシーケンシングを行う方法において先駆的な業績を挙げ、これをタンパク質解析へと応用する可能性を探求してきました。これにより、彼はナノポア技術の精度向上や解析速度の高速化、さらには多様な分子に対する感度を高める方法に関する重要な知見を提供している。今回の講演では、Dr. Giovanniはナノポア技術の原理から始まり、この技術がどのようにしてタンパク質シーケンシングに利用されるかについて詳細に説明した。ナノポア技術は、分子が非常に微細な孔(ポア)を通過する際に発生する電気的変化を測定する方法で、この測定データを解析することで、タンパク質のアミノ酸配列やその構造を解明することができる。特に、タンパク質シーケンシングにおいては、ナノポア技術が従来の技術と比較して多くの利点を持つことが強調された。これには、リアルタイムでの解析が可能であること、試料量が少なくても高い精度で解析できる点、さらには解析過程が短時間で完了する点が挙げられる。さらに、講演ではDr. Giovanniが自身の研究グループでの実験結果をもとに、ナノポアによるタンパク質シーケンシングの実用化に向けた現在の進展と、それに伴う課題についても触れた。特に、ポアサイズの最適化やデータ解析アルゴリズムの改良が必要であり、これによりシーケンシング精度や解析速度の向上が期待されている。また、今後の研究においては、ナノポア技術を用いたより多くのタンパク質の解析が可能になり、疾患研究や新薬開発などの分野において重要な役割を果たすと予測されている。
Dr. Giovanniは、これまでの研究成果と実践的な知見を基に、ナノポア技術が今後のバイオテクノロジーにおける新たなスタンダードとなる可能性を強調した。特に、ナノポア技術は分子レベルでの細かな解析を可能にし、疾患メカニズムの解明や新たな治療法の開発において革新的な役割を果たすことが期待される。
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