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イベント報告

【2022.3.10 GIR公開セミナー報告】 “Trypanosomatid-host interactions from the gut interface to global life-history”

2022.3.14

◆Dr. Seth Barribeau (英国、リバプール大学 、講師)

◆講演タイトル:Trypanosomatid-host interactions from the gut interface to global life-history

◆日時:2022年3月10日(木)

◆会場:Zoom

◆言語:英語

◆開催担当者:井上 真紀 准教授 (グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 佐々木チーム)

開催案内

◆参加人数: 14名 後日google classroomで配信

講演概要

Seth Barribeau先生をお迎えして、GIR公開セミナーを開催した。Barribeau先生は、昆虫生態進化学が専門である。今回のセミナーは、原生生物トリパノソーマについてメタ解析およびモデル系の構築に関する研究について解説いただいた。

人以外に感染するトリパノソーマの有病率に関する過去20年間に公表された論文を用いて、メタ解析を行ったところ、単一宿主に寄生するトリパノソーマに比べ、2種の宿主に寄生するトリパノソーマの有病率が低いことを明らかにしたことを紹介していただいた。Barribeau先生は、進か生態学的な観点から、1宿主性に比べ、2宿主性のトリパノソーマは両方の宿主に適応する必要があるため、‘jack of all trades, master of none’(多芸は無芸)的生活史のトレードオフの結果、有病率が低い可能性があることを示唆した。さらに、これまで実施してきた長期的モニタリングによると、実際にマルハナバチに感染するCrithidia bombiは1宿主性であり、年年動や地域的な変異はあるものの、有病率が比較的高いことを示された。そこで、このマルハナバチとC. bombi系をモデルとして、感染時における宿主および寄生者の遺伝子発現変動をRNAseqにより網羅的に調査したところ、両種で同じような変動パターンが検出されたことを説明していただいた。さらに、蛍光染色によるC. bombiの中腸における感染動態について、最近着手した研究も紹介していただいた。この研究については、特に佐々木先生が専門であることから、講演終了後に意見交換を行うことができた。

そのほか、講演終了後には聴衆から多くの質問があり、今後の研究に大きく貢献するとともに、教員だけでなく学生にも刺激を与える有意義なセミナーとなった。

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