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イベント報告

【2021.3.5 GIR公開セミナー報告】 “The creation of innovative technologies to realize the continuous, real-time, in vivo biosensing system”

2021.3.19

講演者 

Dr. Koji Sode (William R. Kenan Jr. Distinguished Professor, Joint Department of Biomedical Engineering, University of North Carolina at Chapel Hill, U.S.A.)

◆日時:2021年3月5日(金)

◆会場:Zoom

◆言語:英語

◆開催担当者:池袋 一典 教授 (グローバルイノベーション研究院  ライフサイエンス分野 池袋チーム)

◆参加人数: 77 名 後日google classroomで配信

開催案内

講演概要

今回のシンポジウムでは、個人個人の体調管理や早期診断に極めて重要な検査方法である、point of care testingへ応用可能で、そしてこれが更に進化し、常時体液中の健康マーカーをモニタリングできる応用可能なバイオセンサーの現在の開発状況について、GIRのスーパー教授である早出広司教授にon lineで基調講演をして頂き、細胞内への新規遺伝子導入法開発で最先端研究を展開している、本学のモリテツシ准教授に最新の研究成果を発表して頂いた。また、新規バイオセンサー素子の開発研究を行い、博士号を取得する予定である、本学博士後期課程学生の、平賀健太郎君、伊藤広平君、上野絹子さんにその研究成果を発表してもらい、英語で活発な議論を行った。

まず、早出教授に、”The creation of innovative technologies to realize the continuous, real-time, in vivo biosensing system”のタイトルで、世界中で利用されている血糖値センサーの現在の課題とこれからの進化形態についてご説明いただき、次世代型バイオセンサーの分子認識素子として、酵素に求められる電子デバイスとしての特性と、その設計の最先端研究についてご紹介いただいた。さらに今後の常時体調モニタリングの主流となっていくであろう、ウェアラブルセンサーについて、現状での課題と、それを解決するための様々な最先端の試みをご紹介いただいた。

次に本学博士後期課程学生の、平賀健太郎君が、”Development of oxygen inactive lactate oxidase”という演題で、自身の博士論文研究の中で開発した、酸素に対する感受性を極端に低下させた、乳酸酸化酵素の設計、構築と、これを用いたバイオセンサーの開発について発表してもらった。平賀君は、早出教授、米国グランドキャニオン大学のLa Belle教授、ノースカロライナ大学チャペルヒル校のDanniel教授と共同で、汗の中の乳酸を測定できる、フレキシブルなウェアラブルセンサーの開発を行っており、その研究開発の現状についても説明し、会場からたくさんの質問を受け、活発な議論を行った。

次に同じく本学博士後期課程学生の、伊藤広平君が”Designer glucose dehydrogenase and its direct electron transfer to electrode”という演題で、自然界ではまだ余り見つかっていない、電極に直接電子移動させることができる酵素の人工的設計方法について、博士論文研究として実施した研究開発について発表した。直接電子移動型酵素は、人体にとって有毒な電子メディエーターの添加を必要とせず、基質から受け取った電子を直接電極に受け渡すことができるので、ウェアラブルセンサーの分子認識素子として理想的である。その基本的設計法についての最先端の取り組みについて発表した。

次に、本学博士後期課程学生の、上野絹子さんが”Design of Bright Baby Spinach and its fluorescence property”という演題で、これまでに報告されている蛍光発光アプタマーであるSpinachアプタマーに三重鎖を連結することにより、その蛍光強度を十倍以上向上させた、Bright Baby Spinachアプタマーの開発研究について発表した。RNAアプタマーであるBright Baby SpinachアプタマーはあらゆるRNAに簡単に融合させることが可能であり、標的RNAの細胞内での動態や局在を観察するための強力なツールになりうる。細胞内の標的分子の可視化ツールとして、様々なバイオセンシングに応用できると期待される。

本学テニュアトラック推進機構の准教授である、モリテツシ博士は、”Cell penetrating peptide-peptide nucleic acid conjugates as an efficient tool in gene expression analyses”という演題で、標的遺伝子の発現制御に用いることのできるツールとして、細胞膜透過ペプチドとペプチド核酸を融合させ、これによる遺伝子制御システムの開発を行っており、その研究の最先端の成果をご紹介いただいた。RNAiを利用したノックダウン技術など、様々な手法が開発されているが、細胞内導入は大きな障害となっており、これを解決できる手法として期待される。

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