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2021.2.19
講演者
Dr. Jusef Hassoun (Associate Professor, Department of Chemical and Pharmaceutical Sciences, University of Ferrara, Italy)
◆日時:2021年2月5日(金)
◆会場:Zoom
◆言語:英語
◆開催担当者:富永 洋一 教授(グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 富永チーム)
◆参加人数: 35人 後日google classroomで配信
◆開催案内
講演概要
富永チームでは、イタリア・フェラーラ大学准教授のJusef Hassoun先生をお迎えし、Zoomを利用したオンラインでの公開セミナーを開催した(下図はセミナー開始前のアナウンス用パワーポイント画面)。
Hassoun准教授は、電池材料科学研究の分野における一流論文に多数掲載される世界でも非常に優れた研究者である。Hassoun准教授は現在、Liイオン電池用材料の基礎・応用を中心に精力的に研究を進めており、最近ではLi空気電池やLi硫黄電池などの次世代高容量蓄電池の研究開発にも注力している。特に、次世代の蓄電池に必要不可欠な電極活物質の材料開発や電池特性評価に関する基礎的および応用研究に多数の実績がある。
本セミナーでは、Alternative Lithium Batteries for Modern Energy Storageの題目で、参加の学生にも分かりやすいLiイオン二次電池に代表される蓄電池の背景から講演を始めて頂いた。近い将来に実用化が期待されているLi金属二次電池を具体例に取り上げ、それらの現在における問題点であるLiデンドライトや安全性を皮切りに、最近の本学との共同研究成果を中心に最新研究成果の紹介を頂いた。ジグライムやトリグライムなどのグライムファミリーから成る電解液は、従来のカーボネート型電解液と比較して引火点が高く、Li塩の濃度によっては燃えにくい性質を示す。本セミナーでは、本学との共同研究成果(ChemElectroChem, 2020)から得られたグライム電解液に対するLiNO3の添加効果を紹介し、電極表面に形成されるSEI層がLi電池の充放電特性の向上に大きな影響を与えることを明らかにした。固体高分子電解質に対するLiNO3の添加効果についての最新研究成果についての紹介もあり、今後のフレキシブル全固体ポリマー電池への応用可能性にも触れられた。会場からは、LiNO3の添加効果に関する詳細や固体高分子電解質の非晶性を長期的に維持できるか、Li以外の他イオン電池の可能性に関する質問などがあり、蓄電池の未来に関して議論が深まる大変興味深い公開セミナーとなった。
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