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イベント報告

【2021.1.21 GIR公開セミナー報告】 “Smart Farming for Biodiversity”

2021.2.4

講演者 

Dr. Sonoko D. Bellingrath-Kimura (Head and Professor of Resarch Area Land Use and Goveranance, Leibniz Centre for Agricultural Landscape Research (ZALF), Germany)

◆日時:2021年1月21日(木)

◆会場:Zoom

◆言語:英語

◆開催担当者:大津 直子 教授(グローバルイノベーション研究院  食料分野 大津チーム)

◆参加人数: 40名 後日google classroomで配信

開催案内

講演概要

本セミナーは、11月に引き続き、ドイツフンボルト大学と、農工大へのジョイントレクチャーとして行われた。前半では、農業により、農地や周辺の生物多様性が減少していることについての講義であった。慣行栽培と有機栽培がどのような違いをもたらすかについての説明や、輪作や、農地の間に緩衝地帯を設けることの効果など、具体的に最近の研究例を上げながらの説明であった。

前半のレクチャーの後、質問を受ける時間があり、ドイツ学生の他に、農工大側からも「用いられていたデータは欧州のものがあったがアジアの国々にも当てはまるのか」、といった質問があり、天候等のパラメータに気を付ける必要はあるが、ある程度当てはまるという話があった。

後半は、生物多様性を維持しながら農業生産を行うための、デジタル農業の取り組みについてのレクチャーであった。土壌肥沃度、水分、天候、地形、農地に生息する生物数、栽培する作物など、農地に数多くのファクターがあるために、これらを統括して解析し、プログラムにより最適な方法を農家に表示する必要があり、農家もそれを望んでいるということであった。様々なファクターを測定するために用いられている機械の紹介があり、最近は大型の農業機械だけでなく、小型ロボットを数多く使用することにより、多地点でのデータを取得することも行われている。また、昆虫や鳥の数等を、画像や音で計測する機器の開発も行われていた。

日本では、スマート農業は生産性の向上や労働力の削減のために用いられ始めているが、生物多様性のために用いるという概念はまだ広まっていない。しかし将来的に日本にとっても重要な課題になると思われ、本セミナーは聴衆にそのことを考えさせるものであった。

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