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2020.1.31
講演者
Dr. Wei-Li Hsu (Professor, National Chung-Hsing University, Taiwan)
◆日時:2020年1月24日(金)
◆会場:東京農工大学 府中キャンパス 50周年記念ホール
◆言語:英語
◆開催担当者:水谷 哲也 教授 (グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 水谷チーム)
◆参加人数: 20名
◆開催案内
講演概要
台湾中興大学よりWei-Li先生をお迎えして、GIR公開セミナーを開催した。今回は先生のご研究の1つ“The Impacts of Avian Influenza Virus NS1 proteins on Viral Compatibility and Immune Response”についてご講演いただいた。
鳥インフルエンザウイルスは世界中の養鶏に重篤な疾患をもたらし経済的な被害を与えており、講演者の母国、台湾では1985年以来何度も低病原性と高病原性の鳥インフルエンザウイルスのアウトブレイクが起こっている。講演者は鳥インフルエンザウイルスの非構造蛋白質のひとつであるNS1蛋白質に注目して病原性との関連を研究している。NS1蛋白質はマルチファンクションであり、多様性のある蛋白質として知られている。この研究では、まず台湾で発生したH6N1型鳥インフルエンザを基にリバースジェネティクス(感染性のある人工ウイルスゲノム)のシステムを構築し、他の型の鳥インフルエンザウイルスのNS1遺伝子とのリアソータント(インフルエンザウイルスの遺伝子を交換したウイルス)を作製した。その結果、NS1蛋白質がRNA依存性RNAポリメラーゼ(ウイルスを複製する酵素)やインターフェロンの応答に関与していることが明らかになった。この講演では、鳥インフルエンザウイルスのNS1蛋白質が病原性のキープレーヤーになっているという新しい知見が示された。
講演後は参加した学生たちから数多くの質問があり、活発な議論が交わされた。その後、Wei-Li先生の母国の習慣でもある春節にちなんだ懇親会も開催し、さらにディスカッションを深めることができ有意義なセミナーとなった。
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