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2019.12.23
講演者 Dr. K.T. Tan (Assistant Professor, Department of Mechanical Engineering, The University of Akron, U.S.A.)
◆日時:2019年12月16日(月)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 9号館 5階 505会議室
◆言語:英語
◆開催担当者:小笠原 俊夫 教授 (グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 小笠原チーム)
◆参加人数: 24名
◆開催案内
講演概要
Kwek-Tze Tan先生をお迎えして、GIR公開セミナーを開催した。Tan先生は、材料力学を専門とされており、先進複合材料や、メタマテリアル、バイオミメティック材料などの研究分野における米国の新進気鋭の研究者である。本講演では、Tan先生が進めているメタマテリアル、バイオミメティック材料の概要と、今回の講演題目である先進複合材料の極限環境下における設計、性能および評価メタマテリアルに焦点をあてた最新の研究成果が報告された。
はじめに、メタマテリアルの研究例として、Mass-in-Massという簡単なモデルに基づいた運動方程式から導出されるみかけの「負の質量」をうまく制御した制震材料に関する研究紹介があった。また、バイオミメティック材料の研究例として、ハリネズミ(Hedgehog)のハリ、馬の蹄(Horse hoof)、カエルのつま先(Frog toe pad)を模擬した構造の3Dプリンタによる試作と実験的評価、および数値解析に関する研究紹介があった。ハリネズミの構造が耐衝撃性の向上に効果的であるとの内容は学術的にもまた実用的にも興味深いものであった。ひきつづき、先進複合材料に関する最近の研究として、北極海の極低温環境における船舶用複合材料、特にサンドイッチ構造の力学応答に関する研究紹介があった。室温、-30℃および-70℃の環境における衝撃損傷挙動や衝撃後曲げ破壊挙動に関する詳細な実験結果の報告とともに、統計的な手法による諸因子の感度解析に関する手法および結果が紹介された。更に、サンドイッチ梁の曲げ破壊メカニズムの理論的な考察と、フラクチャーマップに基づく設計手法の方法論(Design of Experiment (DOE))が紹介された。
講演会最後には学生からの質問が多数あり、教員のみならず多くの学生に刺激を与える非常に有意義なセミナーであった。
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