メニュー
2019.7.25
講演者
Dr. Jose M. Gordillo (Professor, University of Seville, Spain) – “A theory on the spreading of droplets”
Dr. Guillaume Riboux (University of Seville, Spain) – “Drop splashing: Aerodynamic considerations”
◆日時:2019年7月12日(金)
◆会場:東京農工大学 小金井キャンパス 講義棟L0026
◆言語:英語
◆開催担当者:田川義之 准教授 (グローバルイノベーション研究院 ライフサイエンス分野 田川チーム)
◆参加人数: 41名
◆開催案内
講演概要
ライフサイエンス・田川研究チームJose M. Gordillo先生(Sevilla大学,スペイン)およびGuillaume Riboux先生をお迎えして,公開セミナーを開催した.
Gordillo先生およびRiboux先生先生は流体物理分野における理論解析を専門とされており,顕著な業績を挙げている.なかでも微粒化現象(Atomization)や液滴衝突現象に関する画期的な理論的枠組みを提案されており,その内容は複数のトップジャーナルに掲載されるなど,大きな注目を集めている.またGordillo先生は流体工学のトップジャーナルであるJournal of Fluid Mechanicsのエディターを務めておられ,流体工学の最新事情に精通しておられる.
本セミナーでは,Gordillo先生より固体に液滴が衝突した際の濡れ挙動(spreading)についてまずご講演いただき,次にRiboux先生より,固体に液滴が衝突した際の飛散現象(splashing)についてご講演いただいた.二つの講演により,液滴の衝突現象の最新理論が紹介され,多くの聴衆が聞き入った.
まずGordillo先生のご講演では,液滴衝突直後に液体が固体に沿って広がっていく運動メカニズムについての最新の成果が発表された.従来のように質量保存則と運動量保存則を適用することに加え,固体と液体の接触角および境界層を考慮することにより,精度の高いモデルを構築することができる.液体の種類や大きさ,周囲圧力の変化や固体の材質など様々な条件が異なる多くの実験結果を統一的に記述できることが紹介され,これまでの液滴衝突理論の完成形を垣間見ることができた.
次にRiboux先生のご講演では,液滴から液膜が半径方向に放出される直後の時刻における力学について詳細なモデリングが紹介され,この新しいモデルによって,従来説明できなかった減圧環境下での液滴衝突現象が極めて正確に予測できることが発表された.聴衆らは驚きをもって聞き入っていた.
両講演後,聴講者から多くの質問が出され,活発な意見交換が行われた.
このページの上部へ