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2019.7.8
講演者 Dr. Sukhwan Yoon (Associate Professor, Korea Advanced Institute of Science and Technology (KAIST), Korea)
◆日時:2019年6月20日(木)
◆会場:東京農工大学 府中キャンパス 科学博物館講堂(3階)
◆言語:英語
◆開催担当者:寺田昭彦 教授 (グローバルイノベーション研究院 エネルギー分野 寺田チーム)
◆参加人数: 20名
◆開催案内
講演概要
地球温暖化が顕著に進む今日において、温室効果ガスの削減が必要不可欠になっている。排水処理施設より排出される温室効果ガスは、二酸化炭素・メタンに加え、窒素化合物の亜酸化窒素(N2O)が挙げられる。N2Oの排出総量は二酸化炭素・メタンに比べて非常に少ないものの、温室効果が二酸化炭素の約300倍であることから、21世紀に入り排出量の削減が強く求められている。KAISTのYoon博士は、N2Oを消費する細菌の探索、生理学的特性評価において世界的に認知された新進気鋭の研究者である。講演内容として、特に効率的にN2Oの削減が可能とされているGemmatimonas auranticaの生理生態に関する最新データが提供された。また、この細菌が自然界で生存する意義について、土壌中表層の酸化還元電位と存在量に関する示唆に富んだ考察を例に挙げて説明された。さらに、排水処理施設からN2Oを削減する試みとして独自技術のバイオフィルターを開発しており、パイロットスケールにおけるN2O削減性能の評価について紹介された。このバイオフィルターが優れたN2O削減性能を示しただけでなく、論文では示せない失敗データも惜しみなく紹介され、考案した技術の実用化は、必ずしもまっすぐ研究が進むわけでなく、多くの困難が伴うことを語っていただいた。
質疑応答においても、実用化に向けて現在・今後に直面する課題について、Gemmatimonas auranticaの工学的利用への期待に対する議論が学生からあがり、大いに盛り上がった。
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