獣医学における腫瘍疾患および循環器疾患の相互作用の評価

• 研究概要

  伴侶動物の長寿化に伴い、臨床現場において腫瘍疾患や心血管疾患が増加しており、多くの場合、これらの疾患は併発している。近年、人医学において腫瘍疾患と心血管疾患が密接に関わっていることから「腫瘍循環器学」という新しい学術領域の重要性が高まっているが、獣医学においてはいまだ認知度が低い。がん患者における心血管疾患のリスクを高める要因としては、抗がん剤治療による心毒性などが知られているが、最近の研究では、心不全も腫瘍増殖の亢進と関連することが示されており、腫瘍疾患と心血管疾患には共通の危険因子や病態過程が存在することが示唆されている。本研究の目的は、プロテオーム解析や血液凝固機能の評価を通じて、診断と治療の可能性を探りながら、獣医学における腫瘍疾患と心血管疾患の関係を明らかにすることである。

  

その他の研究者

田中　綾 　（農学研究院・教授）
呰上　大吾 　（農学研究院・准教授）
島田　香寿美　（農学研究院・助教）